凡人シリーズ:第2作
7部作の長編として、2026年10月18日刊行予定。
23歳のとき、私は初めて日本を離れました。
英語も話せず、海外旅行の経験もなく、その先の目的地さえ決めていない一人旅でした。
今回は、刊行に先立ち、第一部から旅の始まりを少しだけ掲載します。

第1章 旅に出るまで
「一度、日本の外に出て考えてみろ。」
ある知人からこの言葉を聞いたとき、私はすぐに旅に出たわけではなかった。
冗談として受け取るというよりも、むしろ「よくわけの分からないことを言い出して、随分と酔ってきたな。」と思った程度で、私もビールを片手に流すように聞いていただけであった。
そもそも私にとって、海外へ行くということはあまりにも現実味のあるものではなかった。
お金もない。
海外に知り合いもいない。
英語も話せない。
海外旅行の経験もなければ、目的地もなかった。
だから、一人で海外へ行くという発想自体がなかったのだ。
それでも不思議なことに、あの言葉は頭のどこかに残り続け、日が経つほど思い出す回数が増えていった。
「一度、日本の外に出て考えてみろ。」
最初は酔った席での冗談として流していたはずの言葉が、なぜか少しずつ重くなっていった。
著者:HodoHodo
全7部一覧
第1部 凡人、23歳。はじめての海外
― バックパッカー、あてのない旅へ ―
第2部 凡人、23歳。はじめての海外
― 出会いと芸術、イタリアを歩く ―
第3部 凡人、23歳。はじめての海外
― 情報のない街と、ドイツを感じる ―
第4部 凡人、23歳。はじめての海外
― 地中海を横断 ―
第5部 凡人、23歳。はじめての海外
― 巡礼と国境、スペインへ ―
第6部 凡人、23歳。はじめての海外
― アフリカという別世界 ―
第7部 凡人、23歳。はじめての海外
― 旅の終わりと、日本へ戻る選択 ―
2026年10月18日の第1部刊行を皮切りに、2か月ごとの刊行を予定しています。
第7部は2027年10月18日刊行予定です。
